利益剰余金とは|長期投資で重要なポイント

会社が稼いだお金のうち、投資家に還元されずに社内に積み立てられたお金を利益剰余金と言います。今回は利益剰余金と株式投資における関係について勉強しましょう。

利益剰余金とは

利益剰余金は、企業が生み出した利益を積み立てたお金です。利益剰余金は、貸借対照表の「純資産の部」の「株主資本」の一部に記載されていて、安定して黒字経営を続けている企業ほど利益剰余金は多く、経営が安定していくと考えられます。

「純資産の部」利益剰余金

企業は会社の事業活動や投資活動などで稼いだお金の一部を、配当金として株主に還元します。しかし、稼いだお金の全てを株主に還元するわけではありません。配当金を除いた利益は、利益剰余金として毎年積み立てられていきます。

利益剰余金の使い道は?

では、会社は積み立てた利益剰余金をどう活用するのでしょうか?

利益剰余金を配当金として還元

投資家にとって嬉しいのは、積み立てた利益剰余金の一部を配当金として還元される場合です。会計上、利益剰余金は株主資本に分類され、通常の配当金に加えて積みあがった利益剰余金の一部も配当金として株主還元されます。

設備投資や有価証券などへの投資

利益剰余金は設備投資にも利用されます。事業拡大でさらなる利益を生み出すのであれば、利益剰余金を積極的に投資して役立てるのが株主にとってもメリットがあります。

また、十分な利益剰余金があり使い道がない場合に、有価証券などへの投資を行う企業もあります。

利益剰余金は現金や預金ではない

名称で勘違いする人もいるかもしれませんが、利益剰余金は現金で会社にあるお金ではありません。上で説明したように、現金以外の形で会社の資産として計上していることも十分に考えられます。

会社にある現金や預金は、利益剰余金と同様に貸借対照表の左側である「資産の部」の流動資産の中に記載されています。利益剰余金の一部や借入金などの合計が、会社にある現金や預金ですね。

利益剰余金がマイナスの場合

また、会社四季報や貸借対照表を確認すると、利益剰余金がマイナス計上されている企業があります。これはどういうことでしょうか?

利益剰余金がマイナス計上されているということは、会社が稼いだお金がマイナスということです。つまり、黒字より赤字の総額の方が大きいということになりますね。こういう企業では、金融機関などの借入金などで経営を行っている状況です。

こういう企業には次のような例が挙げられます。

事業拡大する新興企業

新興企業でこれから事業を拡大している企業であれば、そういう状況も珍しくありません。創業間もない会社は当然ながら設備投資や人材投資や広告に多額の費用がかかります。

事業縮小している企業

経営不振で赤字が続き、事業を縮小しているような企業でも、利益剰余金が枯渇してマイナスになっていく場合があります。

こういったケースでは、今後に明確な事業展望がない限り、倒産リスクが懸念されることになります。

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