株式投資で損失を出す主な要因の一つは資金管理の失敗です。投資資金をコントロールする力はそのまま投資能力の直結します。今回はそんな資金管理の基本になる「ナンピン買い」について勉強しましょう。
ナンピン買いとは
「ナンピン買い」とは、買った株が下落した時に、株を追加で買うことを言います。「ナンピン」は漢字では「難(損)」と「平(平均)」になり、「損失を平均化すること」を意味します。
「ナンピン買い」と「買い増し」の違い
また、「ナンピン買い」と「買い増し」の違いについて疑問に持つ人も多いと思いますが、この二つを区別するとすれば次のようになります。
- ナンピン買い・・含み損を抱えた株の平均買付単価を下げる買い
- 買い増し・・含み損・含み益に関わらず保有株を増やすための買い
このようなニュアンス的な違いが、「ナンピン買い」と「買い増し」にはあります。
ただ、含み損の状態での株の「買い増し」は「ナンピン買い」と同じ行為ですから、「買い増し」の部分的なものが「ナンピン買い」と言えるでしょう。
ナンピン買いの良し悪しは資金管理で決まる
では、ナンピン買いは投資戦略としては間違っているでしょうか?これは、ナンピン買いをどういう意図で行うかによって変わります。
効果的なナンピン買い
保有株が下落して含み損を抱えたとしても、業績や配当利回りなどに変化がなければ、損切りは絶対ではありません。
例えば、投資資金に余裕がある場合や、配当利回りに魅力があると判断できれば、損切りではなくナンピン買い(買い増し)という選択肢が生まれます。
細かいナンピン買いは、無駄に投資額を増やすのでオススメできませんが、ある程度の期間や株価変動をおいてからのナンピン買いは投資戦略として、正しいとも言えるでしょう。
間違ったナンピン買い
保有株が下落して含み損を抱えて、その時点で株を買った事を後悔するようであれば、ナンピン買いするのは止めた方がいいでしょう。
ただ、含み損を抱えたままなのが嫌だからというのであれば、ナンピン買いではなく損切りするべきです。また、業績や配当利回りなどが買った時に比べて改悪して、投資する魅力がなくなったのであれば無理に利益を出そうと考えずに損切りする方が遥かに効率的です。
ナンピン買いを効果的に利用する投資戦略
基本的には投資ではリスク管理には「損切り」が推奨されますが、どうしても損切りが苦手というのであれば、ナンピン買い(買い増し)を投資戦略に織り込む場合もあります。
そういう時には以下のような点をヒントにしてみると良いと思います。
最初の買いは軽めに
ナンピン前提として、株を買うのであれば最初に買う時には少ない資金にしましょう。
合計で100万円投資したいと考えるのであれば、最初の買いは20万円でも十分です。もし、株価が下がらず上昇するなら、取れたはずの利益は減りますが、それは問題ではありません。
分散投資で試行回数を増やそう
上記のように株価が下がらないのであればナンピン買いはありません。そのまま株価が上昇すれば利益も減ります。
その分を分散投資することで、試行回数を増やすことで補うことも可能です。東証に上場している銘柄は4000銘柄近くあります。少なくとも投資対象となる銘柄は1つや2つではないでしょう。
短期投資より長期投資を主体に
ナンピン買いするのであれば、短期投資はあまりオススメできません。短期的な株価の変動はブレも大きく、株価に会社の価値を適正に織り込まれている保証がないからです。
ナンピン買いを考えるような投資は、長期投資で配当金による利益も含めて戦略を建てるのが良いと思います。
ナンピンし過ぎに注意
ナンピン買いでも資金管理の良し悪しが、結果の大きく影響するのは間違いありません。
ナンピン買いするのであれば、ナンピンするスパンも株価レンジも長く取るようにしましょう。小さな変動や短いタイミングでナンピンを続けていれば、あっという間に投資額がかさみます。
撤退戦略も考えよう
ナンピンしている株でも、業績や配当利回りが悪化して、投資価値が小さくなったなら撤退するのもリスク管理では重要です。
ナンピンを続けて上がるまでは絶対に売らないというのは、大きな損失に繋がる可能性もあります。常に新しい投資目線で対象銘柄を判断しましょう。
ナンピン買いした株は細かく利確しよう
また、ナンピンした株は、最初に買った株価まで行かなくても、利益が出たら売却しましょう。
例えば最初の買値が1000円で100株、ナンピン買いの買値が900円で100株の状態で、株価が950円になったとすれば、ナンピン買いした100株は一度利確するのも立派な投資戦略です。
株価が再び900円に下がるなら、再びナンピン買いすれば良いし、上がるなら最初に買った株も利確すれば良いでしょう。
大切なのは資金管理ですから、不必要にナンピン買いした株を持ち続けないのも大切です。
※あくまで投資は自己責任です。考え方として参考にしていただければ幸いです。
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