
機関投資家などの大口の株の売買には、バスケット取引という手法が用いられることがあります。このバスケット取引の観測は株式市場にも影響を与えるために、個人投資家にとっても無関係ではありません。今回はこのバスケット取引の意味や市場への影響について勉強しましょう。
バスケット取引とは
バスケット取引は、同時に複数の銘柄をまとめて売買する取引手法のことです。多数の銘柄を詰め合わせるような取引であることから、バスケット(かご)取引と言われています。
裁定取引や株価指数に連動させるために行うインデックス運用等の際に用いられることが多く、東京証券取引所では、15銘柄以上かつ売買代金1億円以上の売買からバスケット取引が可能となっています。
バスケット取引はどのように行われる?
バスケット取引は、一般的に立会外取引や店頭市場(証券会社や金融機関などの店頭)で取引されることが多く、株式市場の閉まっている時間帯でも取引されます。
バスケット取引のルール
バスケット取引には以下のようなルールが設けられています。
- 取引時間:午前8時20分~午後5時30分
- 売買単位:15銘柄以上かつ総売買代金1億円以上
- 取引価格:構成銘柄の立会市場の直近取引価格で算出する基準代金の±5%以内
バスケット取引のメリット
15銘柄以上、1億円以上の売買を行うバスケット取引は、市場で売買すると株価への影響が大きく、手間もかかります。
そのような手間賃をバスケット取引を請け負う証券会社などが手数料として受け取ることで、大口からの注文を処理しています。証券会社は手間賃を利益として、投資家は手間を省けることでメリットが生まれます。
ランチバスケット取引と株式市場に与える影響
バスケット取引でも、特に前場と後場の間に行われるものを「ランチバスケット」と言い、後場の株式市場にも影響を与えることがあり、投資家にも注目が集まります。
というのも、前場後場の間の一時間に、大口の資金がどのような売買を行うかによって、後場の市場の動きを予測することが出来るからです。
個人投資家の中でも、デイトレードやスイングトレードなどを主体に取引する人であれば、このバスケット取引による大きな資金の流れを知ることで、自身の売買もその流れに乗るように意識することが出来ます。
バスケット取引はどこで知ることができる?
バスケット取引は、証券会社の投資情報などから知ることができます。各証券会社の投資ツールのマーケット情報などから、ランチバスケットなどの観測が表示されるので、そこから確認できるでしょう。
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