ボリンジャーバンドは、株価の変動範囲を統計学を用いて3つの範囲(バンド)で区分することで、株価の動きを予想します。今回はボリンジャーバンドの基本とテクニカル分析の方法について勉強しましょう。
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差から構成されるテクニカル分析の手法です。
移動平均線の上下に標準偏差から求められたバンド(帯)を描き、そのバンドの中に株価(終値)が収まる確率を視覚的に判断することが出来ます。
具体的にはボリンジャーバンドとは次の図のように株価チャートに描かれます。
ちなみに開発者である米国人投資家のジョン・ボリンジャーの名前がこのテクニカル分析手法の由来となっています。
ボリンジャーバンドの3つの範囲
ボリンジャーバンドは移動平均線を中心に、3つのバンドで構成されます。この3つのバンドをσ(シグマ)と言い、移動平均線に近いものから±1σ、±2σ、±3σになります。
そして、それぞれのバンドの役割は、株価の変動確率の範囲でもあります。
- ±1σ・・株価はバンド内に68.27%収まる
- ±2σ・・株価はバンド内に95.45%収まる
- ±3σ・・株価はバンド内に99.73%収まる
つまり、ほとんどの株価(終値)は±2σの範囲内に収まるということが、ボリンジャーバンドからわかりますね。
ボラティリティとバンドの特徴
ボリンジャーバンドは、株価のボラティリティ(振れ幅)によって、大きく3パターンの状態があります。
【スクイーズ】ボラティリティ:小・バンド幅:小
もみ合い(レンジ相場)が続くとバンド幅は狭くなります。ボラティリティが低下してバンドの幅が縮小することをを「スクイーズ」と呼びます。
【バンドエクステンション】ボラティリティ:大・バンド幅:大
株価(終値)でバンドをブレイクすると強いトレンドが発生したシグナルとなり、バンド幅が広がります。
ボラティリティが上昇するというとは、それだけ広い範囲で株価が変動する確率が高くなるからです。バンドの幅が拡大することを「バンドエクステンション」と呼びます。
【バンドウォーク】ボラティリティ:中・バンド幅・中
バンドをブレイクした後に、ブレイクしたバンドに沿って、しばらくトレンドが継続すると、バンドの幅は安定します。この状態を「バンドウォーク」と呼びます。
ボリンジャーバンドを用いた売買判断
では、これらの基本的な知識を背景に、ボリンジャーバンドを売買判断に活用するポイントを最後に解説しましょう。
バンドウォークの順張り
ボリンジャーバンドはバンドウォークを見極めて、順張りで売買するのが最も効果的です。
例えば、+2σをブレイクした後に、そのバンドが上向きで、株価がそれに沿って推移すれば順張りのタイミングとなります。
バンドウォーク状態にあって、株価チャートがバンドから乖離しないのであれば、順張りのポイントとして判断できるでしょう。
バンドブレイクの逆張り
株価チャートにトレンドが発生している時に限りますが、バンドブレイクの逆張りもボリンジャーバンドでの売買ポイントを見極める方法の一つです。
上昇トレンドの中での-2σのバンドブレイクは、トレンドが継続するなら買いのタイミングになります。
もちろん、本当にトレンドが終わって転換する可能性もあるので、失敗した時には素早い損切りが必要ですが、トレンドが強ければ-2σを超えたら逆張りのタイミングと言えるでしょう。
もちろん、トレンドが転換する場合もあるので、逆張りの場合には素早い損切りの可能性も考える必要があります。
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