
上場している企業の株価は必ずしも適正なものとは言えません。割安なまま放置されている株も割高なのに買われている株もあります。今回は株価の割高、割安を判断する基準となるファンダメンタルズ分析について勉強しましょう。
ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析は、企業の業績や財務状況をもとに株価の割高、割安を判断する基準です。
株価は投資家の需給のバランスで決まるので、必ずしも適正な価格を維持しているわけではありません。上場企業の中には、優秀な経営をしていても投資家が注目しないまま割安で放置されている株もあれば、人気先行で業績や財務以上に高値で売買される株もあります。
ファンダメンタルズ分析では、そういった投資家による売買の歪みを冷静に判断するための分析手法です。
長期投資ほどファンダメンタルズ分析は効果的
会社の業績や財務から考えるファンダメンタルズ分析は短期投資よりも長期投資で効果を発揮します。
現在の株価が割安と判断されるのであれば、いずれ何かのタイミングで投資家による株価の見直しが入ります。そのタイミングがいつになるかを正確に読めなくても、割安な株であれば配当金や株主優待を貰いながら長期保有していれば資産運用として十分な価値があるでしょう。
分析の基になるのは決算書
ファンダメンタルズ分析は、企業の業績や財務状況をもとに株価の割高、割安を判断する基準ですから、企業の決算発表はファンダメンタルズ分析の基本とも言えます。
決算書では業績の進捗や結果に加えて、以下の3つの業績や財務に係る項目を見ることができます。
- 貸借対照表・・会社の期末時点での財政状態を表したもの
- 損益計算書・・会社がどれだけ稼いだかを表したもの
- キャッシュフロー計算書・・会社のキャッシュ(現金や預金)の動きを表したもの
ファンダメンタルズ分析の多くは、これら決算書の数字を基に割安、割高を判断しています。
代表的なファンダメンタルズ分析
代表的なファンダメンタルズ分析には以下のものがあります。
株価収益率(PER)
株価収益率は、株価と当期純利益の関係を表した数字です。PER10倍であれば、株価は1年間の純利益の10年分の価格になっています。
純資産倍率(PBR)
純資産倍率は、株価と会社の純資産の関係を表した数字です。PBR2倍であれば、株価は会社の純資産の2倍の価格になっています。
自己資本利益率(ROE)
自己資本利益率は、自己資本(株主資本)と当期純利益の関係を表した数字です。ROE10%であれば、1年間の純利益は自己資本の10%ということです。
総資産利益率(ROA)
総資産利益率は、総資産(自己資本+他人資本)と当期純利益の関係を表した数字です。ROA10%であれば、1年間の純利益は総資産の10%ということです。
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