
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、役割の違う5本のラインから株価の上昇と下落を判断する独特なテクニカル指標です。今回は一目均衡表について勉強しましょう。
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)とは
一目均衡表は、一目仙人という日本の方が開発したテクニカル分析の指標です。5本のラインを用いて分析を行うため、一見すると難解に見えますが、基本さえ抑えれば非常に優秀で使いやすいテクニカル分析指標であることがわかります。
一目均衡表はローソク線チャートに、下の図のように表示されます。
一目均衡表は一から説明すると、簡略化しても結構長くなり複雑な印象を与えます。ですから、今回は結論を先にまとめて、一目均衡表の知識は後述して説明することにしましょう。
結論:一目均衡表は三役好転が買いシグナル
一目均衡表にはいくつかの売買シグナルがあります。そして、一目均衡表ではそれらの売買シグナルを複合させることで、特に強い売買シグナルを導きます。
強い買いシグナル「三役好転」
一目均衡表の強い買いシグナルを三役好転と言い、次の条件が揃うことが条件になります。
- 転換線が基準線を上抜ける(ゴールデンクロス)
- 遅行線が株価を上抜ける
- 株価が雲を上抜ける
強い売りシグナル「三役逆転」
一目均衡表の強い売りシグナルを三役逆転と言い、次の条件が揃うことが条件になります。
- 転換線が基準線を下抜ける(デッドクロス)
- 遅行線が株価を下抜ける
- 株価が雲を下抜ける
この二つの売買シグナルが、一目均衡表の使い方として最も代表的な部分です。
一目均衡表の基礎知識
では、ここからは、「三役好転」「三役逆転」を知るために必要な一目均衡表の基礎知識について解説します。
一目均衡表の5本線の意味は?
一目均衡表は次の図のように株価チャート上に表示されます。
一目均衡表の5本のラインはそれぞれ次のように算出されます。
基準線と転換線
- 基準線・・過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線
- 転換線・・過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線
先行スパン1と先行スパン2
- 先行スパン1・・基準線と転換線の中心を26日先に先行させた線
- 先行スパン2・・過去52日間の最高値と最安値の中心を26日先に先行させた線
遅効スパン
- 遅効スパン・・当日の終値を26日前に遅効した線
一目均衡表は現在・過去・未来のグラフで構成される
このように、一目均衡表は現在(基準線・転換線)、過去(遅行スパン)、未来(先行スパン1・先行スパン2)の時間軸をズラしたラインで構成されています。
一目均衡表の具体的な使い方
ここまでは一目均衡表の意味について説明しましたが、重要なのは一目均衡表を使ってどのように株価の上昇・下落を予想するかですね。
ここからは具体的な一目均衡表の使い方について代表的なものを解説します。
基準線と転換線を使う方法
基準線の転換線は、両方とも「最高値と最安値の中心値」を結んだラインですが、違うのは採用している期間ですね。基準線は26日間、転換線は9日間。
つまり、基準線は長期、転換線は短期のラインであることがわかります。このため、移動平均線と同じく、基準線・転換線にもゴールデンクロス・デッドクロスのテクニカル分析が有効になります。
基準線・転換線の買いシグナル
転換線(短期)が上向きの基準線(長期)を上抜けた時(ゴールデンクロス)。
一目均衡表では、基準線・転換線のゴールデンクロスを「好転」と言います。
基準線・転換線の売りシグナル
転換線(短期)が下向きの基準線(長期)を下抜けた時(デッドクロス)。
一目均衡表では、基準線・転換線のゴールデンクロスを「逆転」と言います。
先行スパン1・2を使う方法
次に、先行スパン1・2を使った分析方法ですが、これは一目均衡表独特な方法を用います。まずは、「雲(抵抗帯)」について解説しましょう。
一目均衡表の「雲(抵抗帯)」とは
一目均衡表では、先行スパン1・2に挟まれたエリアを「雲(抵抗帯)」と呼び、「雲」とローソク足との位置を見るだけで、相場の動きを知ることができます。
雲の考え方は実にシンプルで、「ローソク足が雲の上にあれば下値抵抗線」、「ローソク足が雲の下にあれば上値抵抗線」として考えます。
つまり、雲(抵抗帯)を抜けるのは大変ですよと言っているんですね。
先行スパン1・2の買いシグナル
ローソク線が雲を上抜けた時。基準線・転換線のゴールデンクロスと同様に、このローソク足が雲を上抜けることも「好転」と言います。
先行スパン1・2の売りシグナル
ローソク線が雲を下抜けた時。こちらは「逆転」ですね。
遅行スパンを使う方法
最後に遅効スパンを使った分析方法です。こちらは、遅効スパンとローソク足を使います。
遅効スパンの買いシグナル
遅行スパンがローソク足を上回った場合。こちらを「好転」と言います。
遅効スパンの売りシグナル
遅効スパンがローソク線を下回った場合。こちらを「逆転」と言います。
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