
株式市場では毎年、数十社が証券取引所に新しく上場しています。今回は、会社が新しく株式市場に上場するIPO(新規公開株)について勉強しましょう。
IPO(新規公開株)とは?
IPOは「Initial Public Offering」の略称で、日本語では「新規公開株(銘柄)」として投資家に知られています。
少数の特定の株主が株式の多くを保有している状態では、未上場の会社が新たに証券取引所に上場することは出来ません。そのため、株式上場に際し、新たに株式が公募されたり、上場前に既存株主が保有している株式が売り出されます。
これらの株式を証券会社を通じて投資家へ配分することをIPOといいます。
IPOは個人投資家に人気
IPOは個人投資家に非常に人気の投資です。なぜなら、IPOとして上場する前に投資家に売り出される株式は、上場後に売買される株価よりも、かなり割安に購入できる可能性が高いからです。
そのため、IPO株が売り出される場合には、一般的には投資家が申し込みに殺到して、抽選による配分が行われます。宝くじで一等を当てるほど低い確率ではなく、ほぼノーリスクで利益になるんですから、IPOに人気があるのは当然ですね。
個人投資家がIPOに参加する手順
では、個人投資家はどうやったらIPOに参加できるのでしょうか?
- ブックビルディング申込
- 抽選
- 購入意思表示
- 購入
大まかに流れを解説すると上のような流れで、IPO株を購入することが出来ます。
ブックビルディングとは?
ブックビルディングは、新規公開株の公募価格を決定するための方法です。
ブックビルディング方式では、上場する会社の経営状態や専門家の意見を参考に公開価格の仮条件を決定します。その公開価格の仮条件の範囲で投資家に公募し、需給状況を確認してから、正式な公募価格を決定します。
また、入札方式と言って、直接投資家による入札が行われる方式もありますが、公募価格が高騰しやすく上場後に株価が不安定になりやすいことから、現在ではあまり見られない方式です。
ブックビルディング参加後は運任せ
ブックビルディングに参加後は、抽選になりますので当選すればIPO株を買う権利が手に入ります。その後は証券会社から購入する意思が本当にあるのかを確認され、購入意思があれば購入となります。
証券会社によってIPO実績が異なる
IPOの公募はどの証券会社も行っているわけではありません。上場する会社によって、IPOを申し込める証券会社と申し込めない証券会社があります。
IPOを申し込める証券会社は、主幹事証券、幹事証券、委託幹事(裏幹事)証券のみですから、これらに該当する証券会社がIPOを申し込める証券会社になります。
つまり、こういったIPOに絡みやすい証券会社の口座を開設している方が、IPOへの申し込み機会は多くなるということですね。
主幹事証券とは?
主幹事証券とは、IPOの一連の流れを取り仕切る証券会社です。簡単に言えば、企業が上場するための担当者ということですね。そして、主幹事証券になれば当然ですが、分配される株式数も多くなります。
また、幹事証券は主幹事証券をサポートする役割、委託幹事証券はIPO株の委託販売を行う役割を持った証券会社です。
IPO実績の多い証券会社
では、どの証券会社がIPOに積極的に携わっているかと言えば、次の証券会社が多いようです。
- SBI証券
- 楽天証券
- 野村證券
- 大和証券
- みずほ証券
- SMBC日興証券
IPO(新規公開株)の当選確率を上げるコツ
投資家にとって魅力的なIPOですが、実際にIPOに当選するのはかなり確率が低いことも事実です。
では、IPO当選確率を少しでも上げるためにはどうしたらいいでしょうか?
複数の証券会社でIPOに申し込む
IPOの申し込みは、一人一回ではありません。同じ会社のIPOでも複数の証券会社で申し込むことが出来ます。
ですから、なるべく多くの証券会社からIPOの申し込みをすることが当選確率を上げるためには最重要です。
ブックビルディング上限で申し込む
ブックビルディングで申し込みできる購入希望価格の上限で申し込むことも、当選確率を上げるポイントです。
もちろん、その上限よりも株価が高くなると判断できる事が前提ですが、購入希望者の中でも購入希望価格が高い方が当選しやすくなります。
証券会社ごとの特徴を利用する
IPOへの当選ルールは証券会社によって異なります。申し込み株数の多い人が当選しやすい、外れた回数が多い人ほど当選しやすいなど、証券会社によっても違います。
例えば、SBI証券ではIPOに外れた場合に、IPOポイントというのが貰えて、これを次回以降のIPOで利用することができます。
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