
「勝つための最善の投資法は株を買ったら死ぬまで保有し続けること」と言われるくらい、長期投資は優れた投資手法です。今回は、長期投資の特徴やメリットやデメリットについて勉強しましょう。
長期投資の特徴
購入した株を数年、数十年の長期間に渡って保有し続ける投資を「長期投資」と呼びます。明確な投資期間の定義はありませんが、3年以上に渡って株を保有し続けるなら長期投資に分類されるでしょう。
長期投資のメリット
配当金と売却益が見込める
長期投資の投資戦略は、「配当金」と「売却益」の両方を目的とした投資ができることです。
配当金か売却益のどちらを重視するかで、投資対象となる銘柄は大きく違います。配当金を重視するなら業績が安定した高配当株、売却益を重視するなら高成長株が投資対象になるでしょう。
ただ、高成長株が5年10年と長期に渡って高い成長率を維持し続けるのは難しく変動も激しいため、一般的には高配当株で業績の安定した株を対象とすることが多いでしょう。
配当利回り5%の株を10年保有すると
例えば、配当利回り5%の株を10年間保有し続けると、50%の配当金が受け取れます。
業績が安定して黒字を維持している企業であれば、財務的にも健全性が増すため株価上昇による売却益も見込めるでしょう。
投資に費やす時間が少ない
売買回数が極めて少ない長期投資では、忙しい社会人にとっても取り組みやすい投資です。
月に何度かの株価や市況のチェックは必要ですが、業績発表やIRニュースなどに大きな変化がないなら、特にすることはありません。
また、長期間保有することを目的としているため、短期間の投資に比べて日々の株価の変動に一喜一憂する必要もないでしょう。
つみたてNISAを活用しやすい
つみたてNISAとは、長期間に渡って株式投資による利益が非課税になる口座です。通常は所得税と住民税で利益に対して約20%が課税されますが、NISA口座では配当金にも売却益にも課税されません。
つみたてNISAは毎年40万円を上限に、最長で20年間に渡って株の利益が非課税になるため、長期投資の最も適した口座と言えます。
仮に、20年間で1000万円の配当益と売却益が発生したとすれば、約200万円が非課税になるわけですから大きいですね。
上手な長期投資のポイント
長期投資には、私の体験や考えの中では大きなデメリットはありません。デメリットというよりも、注意すべきポイントとして、いくつかあるのでそれを挙げていきましょう。
長期的な未来予測は考えない
株式投資に限らず長期的に将来を予測するのは難しいことです。ただ、長期投資だからと言って必ずしも10年20年先を見通す必要はありません。
今後、5年程度の予測から投資対象を選び、状況の変化に応じて柔軟に売却時期を見極めることが大切です。
急激な株価上昇では利益確定も大切
長期投資のつもりで株を購入していても、何かのキッカケで株価が急騰することもあります。
それが、業績に伴うものでもなく、数週間や数カ月のうちに2倍3倍と株価が上昇するなら、長期投資にこだわらず利益確定するのも一つの投資手法です。
例えば、株価が3倍になったのであれば、配当利回りは1/3になってしまっているため、長期投資としての魅力は小さくなります。その代わり、その時点での売却益は相当な利益になるので長期投資をするメリットよりも利益確定のメリットの方が大きいでしょう。
長期投資で株を買うなら少額から始めよう
長期投資をするのに最初から全額投資はオススメ出来ません。長期的な相場変動を考えると、元本を下回るタイミングがあることも考慮するべきだからです。
投資資金を全て株にしていると、そういう状況で買い増しや他の銘柄への切り替えが難しくなります。
業績の著しい悪化は損切りをする
また、長期で株を保有していると決算発表や業績予想の修正などを何度となく経験します。もし、その時に会社の業績に著しい悪化が見られるのであれば、損切りも検討する必要があります。
特に、赤字転換して長期的に継続しそうなら、投資対象としては不適格かもしれません。
業績発表で著しい変化があった場合には、株を買った時の判断ではなく、現状の業績を考慮して魅力ある株かを判断しましょう。
長期投資する銘柄の探し方
長期投資に向いている株は、「配当利回りの高さ」と「業績の安定性」、「財務健全性」の3つから総合的に判断するのがオススメです。
配当利回りの高い株
配当利回りが高いほど、長期的に積み重なる配当金も多くなります。目安としては3%以上の銘柄から探すのがオススメです。
また、高配当でも創業○○周年などで一時的な株ではなく、安定して高配当を継続している株を探しましょう。
業績の安定性
長期投資で重要なのは、業績の安定性です。業績が安定していない企業の株を長期に渡って保有するのはリスクが高いからです。
地味だとしても、業績が安定している会社は長期投資には非常に魅力的です。
財務健全性
財務的に健全であるかどうかは倒産リスクにかかわる大切な項目です。
財務健全性を判断する上では、
- 自己資本比率(高いほど良い)
- 有利子負債(少ないほど良い)
- 流動資産と固定資産の割合(流動資産が多いほどフットワークは軽い)
などから判断するのが良いでしょう。
それぞれの調べ方は、会社四季報や会社のホームページ、証券会社が提供する情報などから調べることが出来ます。
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