
制度信用取引で扱える銘柄を信用銘柄と言い、その中でも売建可能な銘柄を貸借銘柄と言います。今回はその信用銘柄と貸借銘柄の選定基準や特徴について勉強しましょう。
信用銘柄とは?
信用取引の中でも証券取引所がルールや基準を定めるものを「制度信用取引」と言います。
そして、証券取引所が定める信用取引の選定基準をクリアした銘柄を「信用銘柄」と言い、制度信用取引で扱える銘柄になります。
信用銘柄の選定基準は?
この信用銘柄の選定基準は難しいものではなく、債務超過でないことや上場廃止や管理銘柄、整理銘柄に指定されていないなど、健全な経営・財務状況であればクリアできるものです。
参考リンク:制度信用・貸借銘柄の選定・取消し | 日本取引所グループ
信用銘柄の数は?
東証1部、2部、マザーズ、ジャスダック市場に上場する信用銘柄の数は、2020年末で3702銘柄に及び、これは全体の99.7%に及びます。
貸借銘柄とは?
信用銘柄の中でも、買建、売建(空売り)の両方ができる銘柄を「貸借銘柄」と言います。
逆に、買建しかできない信用銘柄を「貸借融資銘柄」といいます。
空売りの仕組み
信用取引で空売りをする場合には、売るための株券(貸株)を証券会社が調達します。
証券会社の内部で貸株を調達できれば良いですが、貸株が不足した場合には証券金融会社を通じて貸株を調達する必要があります。
そのためには、証券金融会社が十分に貸株を確保できることが前提となります。
貸借銘柄は空売りのために基準が厳しい
空売りの貸株を調達するために、信用銘柄の中でも貸借銘柄はさらに厳しい剪定基準が用いられています。
例えば、貸借銘柄の選定基準では「流通株式数が2万単位以上」や「株主数が1700人以上」などの条件に加えて、貸株調達可能量からみて貸借銘柄として適当でないと認められる銘柄は除外されます。
貸借銘柄の数は?
東証1部、2部、マザーズ、ジャスダック市場に上場する貸借銘柄の数は、2020年末で2211銘柄に及び、これは全体の59.5%に及びます。
信用銘柄のおよそ6割は貸借銘柄ということになりますね。
まとめ
最後にこの記事の内容を簡単にまとめましょう。
- 制度信用取引で扱える銘柄が信用銘柄
- 信用銘柄で売建可能な銘柄が貸借銘柄
- 信用銘柄で売建不可な銘柄が貸借融資銘柄
- 信用銘柄数は3702銘柄、貸借銘柄数は2211銘柄
コメント