
ファンダメンタルズ分析を用いることで、現在の株価が高いのか安いのかを判断することができます。今回はファンダメンタルズ分析でも代表的な株価収益率について勉強しましょう。
株価収益率(PER)とは?
株価収益率は、今期の利益から現在の株価が割安か割高かを判断するファンダメンタルズ分析の指標です。PERとも呼ばれますが、こちらは「Price Earnings Ratio」の頭文字を取ったものです。
株価収益率の計算式は以下のようになります。
株価収益率(PER)=株価÷一株当たりの当期純利益
例えば、現在の株価が1000円、一株当たりの当期純利益が100円なら、株価収益率は10倍になります。
株価収益率(PER)の考え方
株価収益率(PER)の考え方は「現在の利益を何年続ければ株価と同じ価値になるのか」というものです。
例えば、PERが10倍なら10年、20倍なら20年、現在の利益を出し続ければ株価と同じ利益をあげた事になります。
株価収益率(PER)は低いほど割安
そのため、株価収益率(PER)は低いほど割安であると判断することが出来ます。
PER10倍とPER20倍であれば、前者の方が株価に対して大きな利益を出していることになるからです。
株価収益率(PER)が高いほど成長期待も高い
逆に株価収益率(PER)が高いということは、業績の成長期待も高いことになります。
PERが50倍、100倍という銘柄があるのは、今後の業績の成長性が高いと投資家が判断していることになります。
株価収益率(PER)の調べ方
株価収益益率(PER)はファンダメンタルズ分析でも代表的な指標です。
証券会社の銘柄情報やヤフーファイナンスなどでも、簡単に個別銘柄の株価収益率(PER)を調べることができます。
株価収益率(PRE)の平均は?
また、株価収益率(PER)の市場平均や業種平均を調べたいなら、日本証券所グループのサイトから確認することができます。
ちなみに、このデータによると2021年2月の東証一部の市場平均PERは23.2倍になっています。
基本的な株価収益率(PER)の使い方
では、実際の株式投資をする時に、株価収益率(PER)をどのように利用すれば良いでしょうか?
株価収益率には、次のような基本的な使い方があります。
業種平均と比較する
ある株を買おうとする時に、その株が業種内で割安か割高かを株価収益率を用いて判断することが出来ます。
例えば、業種平均がPER15倍だった時に、買いたい株がPER20倍であれば、やや割高になっていることがわかります。
逆にPER10倍であれば、株価収益率で考えれば割安な株価であると判断できます。
同業他社と比較する
同業他社と比較する時に株価収益率(PER)は役に立つ指標になります。
例えば、A社とB社のどちかの株を買うかを迷った時に、A社のPERが10倍、B社が15倍だった時には株価収益率(PER)だけで考えればA社の方が割安であると判断できます。
過去の株価収益率と比較する
また、同じ株でも過去のPER水準を比較することで、現在の株価が割安か割高かを判断することも出来ます。
例えば、過去5年平均がPER15倍で、現在のPERが20倍になっていれば株価収益率で考えれば、やや割高になっていることがわかります。
株価収益率(PER)の注意点
基本的な株価収益率の使い方は上記の通りですが、本当に株価収益率を使いこなすには次の点に注意が必要です。
- 業種によって株価収益率は違う
- 市場によって株価収益率は違う
- 成長株において株価収益率は参考になりにくい
株価収益率は割安な株を探す時には有効なファンダメンタルズ分析手法ですが、成長株においては業績の成長率の予測が難しいために、あまり有効ではありません。
また、業績の変動が大きい会社においても株価収益率のブレが大きくなり基準が見えにくいため、投資判断するには難しいでしょう。
株価収益率(PER)は長期投資する割安株を探すのに効果的
株価収益率(PER)は、長期投資する割安株を見つけるための分析手法として効果的です。
業績が安定していてPERが低いということは、それだけ下落余地が小さいとも言えます。配当金によるインカムゲインを考えた時に、下落余地が小さいということはリスクを抑えることにも繋がります。
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