損益計算書では一年間で会社がどれだけ稼いだのか、または損失を出したのかを詳しく知ることができます。今回は損益計算書の基礎と見方について勉強しましょう。
損益計算書
損益計算書は財務三表の一つで、会社の1年間の売上、利益、損失などがわかる表のことです。損益計算書では主に「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」の4つの項目の内訳を見る事で、会社の収益力がわかります。
損益計算書の構成は、簡単には次の図のようになります。
売上高
会社が商品を売ったり、サービスを提供するなど営業活動によって手に入れたお金です。
売上原価
売上原価は、会社が売りあげた商品を仕入れたり、製造するためにかかる費用のことです。
売上総利益
売上高から売上原価を差し引いた利益です。
営業利益
営業利益は、売上総利益からさらに「販売費及び一般管理費」を差し引いた利益です。
経常利益
経常利益は本業以外の収益・費用をまとめたものです。例えば、株などの売却損益や、本業に付随して販売した商品の販売益などがこれに含まれます。
経常利益は営業利益に「営業外収益」を足して「営業外費用」を引いた利益です。
純利益
経常利益から特別利益や特別損益を加減し税金の支払いを差し引いた純粋な利益です。
実際の損益計算書
これらを踏まえた上で、次の損益計算書をご覧ください。
左上から左下、左下から右上、右上から右下と見ていくことで、会社が稼いだお金の流れが細かくわかりますね。
包括利益とは
最後に包括利益ですが、こちらは純利益から「保有する株式の評価益損益や為替の変動による海外資産の変化などを加減したもの」です。簡単に言えば、時価で変動するものを最終的に考慮したのが包括利益です。
以前はそれほど重視されていませんでしたが、財務数値の国際的な比較可能性の向上などを目的として2011年3月期から日本に導入されました。
現在では経常利益や純利益ほど、重視される利益ではありませんが、投資をする上では覚えておいた方が良いでしょう。
コメント