
会社の自己資本に対する利益のことを自己資本利益率(ROE)と言います。ROEは外国人投資家が重視する指標でもあり、今後もその重要性は大きくなることが予想されます。今回は自己資本利益率の基本や計算方法、考え方などについて勉強しましょう。
自己資本利益率(ROE)とは
自己資本利益率(ROE)は、簡単に言えば「企業の収益効率を測るファンダメンタルズ分析」で自己資本を基準に、どれだけ利益を生み出せたかを示す指標です。ROEは「Return on Equity」の略称です。
ROEの計算式
ROEは次のような計算式で求めることが出来ます。
- 当期純利益÷自己資本×100%
自己資本に対しての当期純利益の割合ということがわかりますね。
例えば、自己資本が10億円の会社の当期純利益が1億円だった場合、ROE=10%ということになります。
投資における自己資本利益率の目安
当然ですが、ROEは高いほど自己資本に対して、効率的に利益を生み出していると言えます。では、株式投資においてROEはどれくらいが望ましいのでしょうか?
ちなみに、経済産業省によって作成された資料によると欧米と日本における上場企業のROEの平均の推移は以下のようになっています。
米国のROEが際立っているのがわかりますね。欧州も日本に比べると高い水準にあります。とは言え、日本の自己資本利益率は改善傾向にあることがわかります。
日本株の自己資本利益率の目安は10%
このデータから言える事は、上場する日本企業の現在のROEは10%程度が平均と言えるでしょう。そのため、ROEをファンダメンタルズ分析で用いるのであれば10%を基準に高ければ資本効率が良い、低ければ資本効率が悪いと判断することが出来るでしょう。
自己資本利益率の注意点
自己資本利益率は確かに重要な指標ですが、それだけで判断するのは早計です。なぜなら、自己資本利益率は負債が多い企業でも高くなる傾向があるからです。
自己資本利益率は高いが負債(他人資本)も多い仕組み
企業は営業活動に必要な資金が多いほど、利益も生み出しやすくなります。そのため、銀行などから積極的に融資を受けて、どんどん事業を拡大している企業は自己資本が少なくても、利益は大きくなります。
新興企業などで比較的ROEが高い理由はこういった理由があるからです。ROEが高く、負債(他人資本)の割合が高いのは、それだけ事業が拡大している証拠でもありますが、同時に負債(他人資本)の割合が大きい企業は、事業が傾いた時に体力(自己資本)が少なく、リスクがあるということも覚えておきましょう。
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