
株式投資では、直近の株価から一定の値幅を超える指値注文や成行注文が出た場合に「特別気配」になることがあります。今回は特別気配になる条件や仕組みについて勉強しましょう。
特別気配とは
東京証券取引所における株取引は、直前の株価と比較して「一定の値幅の範囲内」に限り、即時に次の売買を成立させます。その値幅を「気配の更新値幅」といい、直前の株価を基準として定められています。
しかし、更新値幅を超える水準で次の売買が成立するような場合には、更新値幅の範囲内で呼値を表示します。この時に表示される呼値が「特別気配」です。
特別気配は一定時間ごとにシフトする
また、特別気配は一定期間(通常は3分)ごとに更新され、特別気配における注文が反対注文と釣り合うまで移動していきます。
例えば、直前の株価が1000円の株が「買い特別気配」になるとすれば、1030円、1060円、1090円・・と3分ごとに移動します。
もし、この特別気配が1日の値幅制限内で解消されなければ、値幅制限の上限まで移動してストップ高気配になります。
特別気配の一例
例えば、現在値が1000円の時に1050円で100株の指値で買い注文を出したとしましょう。その時に、売り板が1030円までに出ていなかった場合には、一旦1030円の「買いの特別気配」になります。
その状態でも1030円で売り注文が出なかった場合には、一定時間を置いてから1050円まで買い注文がシフトします。この時に、1050円までに売り板があれば、その売り板の一番安い価格で約定することになります。
特別気配になる条件
特別気配が発生するには、次のような条件があります。
- 直前の株価の更新値幅を超える価格の指値注文、または成行注文が入る
- その注文株数が更新値幅内にある反対注文の株数を超える
寄付き前であれば、基準値が直前の株価の代わりになります。
特別気配の更新値幅
特別気配の更新値幅は、直前の株価、または気配値段を基準として次の表のようになります。
気配値段 | 値幅 |
200円未満 | 5円 |
500円未満 | 8円 |
700円未満 | 10円 |
1,000円未満 | 15円 |
1,500円未満 | 30円 |
2,000円未満 | 40円 |
3,000円未満 | 50円 |
5,000円未満 | 70円 |
7,000円未満 | 100円 |
10,000円未満 | 150円 |
15,000円未満 | 300円 |
20,000円未満 | 400円 |
30,000円未満 | 500円 |
50,000円未満 | 700円 |
70,000円未満 | 1,000円 |
100,000円未満 | 1,500円 |
ストップ高・安の特別気配で大引け
また、ストップ高あるいはストップ安で特別気配のまま大引けになった場合には、比例配分という形で注文の約定が行われます。
比例配分とは、証券取引所によって各証券会社の注文数に比例して配分する方式です。
例えば、「ストップ高比例配分」では、買い注文が多く、売り注文が少ない状態で大引けを迎えます。この場合には、売り注文数の分だけ売買を成立させ、各証券会社の注文数に比例して配分します。
比例配分された配分は、証券会社がそれぞれのルールで自社で注文した個人投資家へ割り当てます。
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