
仕事で稼いだお金の税金がかかるのと同様に、株式投資で利益が出た場合にも税金がかかります。今回は株式投資にかかる税金の税率や条件などについて勉強しましょう。
株式投資の税金は利益にかかる
株式投資にかかる税金は、正確には株式投資で利益が出た場合にかかる税金です。例えば、100万円の株を買って120万円で売却した場合には、売却した120万円ではなく買値と売値の差額である20万円に対して税金がかかります。
株式投資初心者の人は、売値に対してかかると思っている人もいるようですので念のために確認しておきましょう。
株式投資の利益は売却益と配当金
また、株式投資の利益とは何かと言えば、「売却益」と「配当金」です。
売却益は先ほどの例のように買値と売値の差額である利益、配当金とは企業から年に1,2回程度株主に支払われる利益や剰余金の還元です。
- 参考1:配当金(インカムゲイン)とは?
- 参考2:売却益(キャピタルゲイン)とは?
株の税金は毎年1月1日から12月31日までの合計
株式投資の税金は他の個人税と同様に、毎年1月1日から12月31日までの合計利益に対してかかります。ただし、約定日と受渡日の関係で、正確には1年の最後の2営業日の利益は翌年の利益になります。
大納会が12月30日の場合には、12月30日とその前営業日に確定した利益は、翌年の利益となりますので、これには注意が必要ですね。
参考:約定日と受渡日
含み益には税金がかかる?
また、株を買って保有している状態で、含み益が出ているものについて税金はかかるでしょうか?
答えは、税金はかかりません。例えば、100万円で買った株が120万円になったとしても売却していなければ税金が発生することはありません。
株の税金はあくまで確定した利益にかかります。
株式投資の税金の種類と税率
株式投資にかかる税金は主に「所得税」と「住民税」です。所得税は利益に対して5%、住民税は利益に対して5%となっていて、利益額に関わらず一定です。
また、東日本大震災以降は「復興特別所得税」という名目で、上の二つの税金に加えて0.315%が加算されています。※こちらも利益額に関わらず一律です
株式投資の税率は合計で20.315%
つまり株式投資にかかる税金は「所得税+住民税+復興特別所得税」となり、「15%+5%+0.315%=20.315%」となります。※2021年現在
例えば、株式投資で売却益と配当金で1年間で100万円の利益があったとすれば、20万3150円が税金になるということですね。
株式投資の税金の計算方法
株式投資をしている人には、1年に何度か取引しているでしょう。その中には利益が出た投資と損失が出た投資があると思います。
では、その場合に株式投資の税金は、どうやって計算されるのでしょう。結論を言えば、株式投資の税金は、一年間の損益の合計にかかります。
例を挙げて、計算式を見てみましょう。
全ての投資で利益が出た場合
全ての投資(取引)で利益が出た場合には、単純に利益の足し算になります。
例えば1年で3回の投資をして、それぞれの利益が10万円、20万円、50万円だった場合には、その合計の80万円が利益となります。
それにかかる税金は、「80万円×20.315%=16万2520円」になります。
利益と損失が出た場合
もし、利益と損失が出た場合には、どうなるでしょうか?
例えば1年で3回の投資をして、それぞれ利益が20万円、50万円、損失が30万円だった場合には、利益の合計から損失の合計を引いたものが最終的な利益になります。
計算式にすると「20万円+50万円-30万円=40万円」ですね。なので、この場合にかかる税金は、「40万円×20.315%=8万1260円」になります。
株式投資の税金の申告方法は?
株式投資の税金の申告方法は大きく2つの方法があります。
特定口座(源泉徴収あり)で税金を払う
一つは特定口座(源泉徴収あり)で、自動的に税金の計算から支払までを証券会社にまかせる方法です。この場合には、証券会社の方で各取引ごとにかかる税金を計算して、その都度徴収、または還元をしてくれます。
特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で確定申告をする
もう一つは、特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で、自分で確定申告をする方法です。
この場合、株式投資で利益が出ていたら、自ら確定申告が必要になります。特定口座と一般口座の違いは、特定口座なら証券会社で損益の計算をしてくれて、一般口座では自分で損益の計算をしないといけない事です。
つまり、一般口座は名称の割には不便で一般的な使い道はありません。
参考:特定口座と一般口座
株式投資の税金を払わなくて良いケース
NISA口座で運用している人
NISAとは、少額投資非課税制度のことです。つまり、このNISA口座内の利益については非課税で運用できます。
NISA口座で運用している場合には、利益が出ても税金を払うことはありません。
利益が20万円以内の給与所得者は株の確定申告不要
また、「主たる所得が給与所得」の人は、株式投資の利益が20万円以下なら確定申告は不要です。
「主たる所得が給与所得」とは会社員やパート・アルバイトなどをしている人で、他の所得より給与所得が多い人ですね。
該当する人は特定口座(源泉徴収なし)がオススメ
この条件に合致する人の場合には、特定口座でも「源泉徴収なし」にするのがオススメです。
その理由は、特定口座で「源泉徴収あり」にすると、自動的に株の利益に対して課税されてしまうからです。1年の利益が20万円に届かない可能性が高いなら、特定口座の源泉徴収なしで口座開設するのが良いでしょう。※口座選択は1年に一回変更できます
ただし、株の利益が20万円を超えた場合には、確定申告の義務が発生しますので注意してください。
株式投資の税金まとめ
株式投資の税金は、一律20.315%となっていますが、その人の収入形態や条件、口座の種類などで払わなくて良いケースや、控除できる場合があります。
今回は基本的な株式投資の税金の話でしたが、詳しく知りたい方はより詳細な記事も作成予定なので、そちらをご覧ください。
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